ファンドレイジングでNPO(非営利団体)が資金集めするメリット3つとポイント4つを解説!
ファンドレイジングとは、慈善活動や社会貢献活動を行うNPO(非営利団体)が運営費・活動費を集めることを指します。
また、実際にNPOを運営している方の中でファンドレイジングを行なっている方の中には、思うように資金調達できない…と悩んでいる方もいるかもしれません。
そこで本記事では「ファンドレイジングの概要」や「ファンドレイジングの魅力」、「ファンドレイジングによる資金調達時の重要なポイント」、「ファンドレイジングで注意したい点」などについて、詳しく解説していきます。
資金調達に悩んでいるNPO法人は、本記事を参考にしながら、必要な資金の調達に成功させてみましょう。
この記事で分かること
ファンドレイジングの概要
はじめに、「ファンドレイジング」の概要について解説します。ファンドレイジングとは、具体的にどのような行為を指す言葉なのでしょうか。
ファンドレイジングとは非営利団体の資金集め・資金調達を指す言葉
ファンドレイジング(Fundraising)とは、民間非営利団体(Non-Profit Organizations:日本では公益法人、特定非営利活動法人、大学法人、社会福祉法人などを含む)が、活動のための資金を個人、法人、政府などから集める行為の総称。主に民間非営利組織の資金集め(営利組織でいう資金調達)について使われる用語である。
ファンドレイジングには、資金・基金(ファンド)を増やす・調達する(レイジング)という意味がありますが、一般的にファンドレイジングという言葉は「NPOが活動のための資金を集める」という意味で使われることが多いです。
ファンドレイジングは「寄付や助成金等」による資金調達の意味合いが強い
NPOの資金調達には、事業活動での収入、支援者からの寄付金、会費、補助金や助成金、融資の主に5種類の方法があります。
ファンドレイジングは広義で「資金調達」という意味があるのですが、事業の収益による資金調達ではなく、「個人や法人からの寄付、公的機関からの助成金・補助金等による資金調達」を指すケースが多いです。
ファンドレイジングの様々な手法
個人や法人からの寄付、支援によるファンドレイジングには、具体的に以下のような手法があります。
- 非営利団体の会員が支払う会費
- 募金箱や街頭募金
- クラウドファンディングなどを通じた寄付
- チャリティーイベントなどでの寄付
- ポイントプログラムで獲得したポイントの寄付
- 相続した資産の寄付
など
NPOなどの非営利団体は、上記のような様々な方法のファンドレイジングにより運営資金を調達し、非営利活動のために役立てています。
ファンドレイジングのメリット
ファンドレイジングには、活動資金の調達以外にも、以下のような効果を期待できるでしょう。
- NPOの活動内容やビジョンをクリアに整理できる
- NPO内のコミュニケーションが活発になる
- 運営スタッフのモチベーション向上
NPOの活動内容やビジョンをクリアに整理できる
ファンドレイジングは、個人支援者や法人に非営利団体の事業内容やビジョンを示して寄付を募るため、非営利活動の内容を分かりやすく、多くの人へ伝える必要があります。
個人支援者や法人等へ広報活動を行うと、必然的にNPOの活動内容や活動方針、ビジョン、ミッションをクリアに整理できるでしょう。
NPO内のコミュニケーションが活発になる
ファンドレイジングによる資金調達をはじめると、「どのくらいの資金を集めなければならないのか」、「どのように広報活動をすべきか」、「そもそも活動の目的とは」など、必然的にスタッフ間でのディスカッションが行われ、NPO内のコミュニケーションが活発になる、組織が活性化するというメリットもあります。
運営スタッフのモチベーション向上
ファンドレイジングによる募金活動後は、運営スタッフと支援者間で関係が築かれます。
支援者とコミュニケーションをとることで、対応するスタッフが強い責任感を持ち、モチベーションや、やる気が向上する可能性も考えられるでしょう。
ファンドレイジングによる資金調達の大事なポイント
続いて、ファンドレイジングによる資金調達を成功させるための大事なポイントについて、解説します。
- ターゲット層に合った資金調達方法を選ぶ
- SNSなどを通じ、NPOの活動に共感してもらえるような広報を行う
- 興味がない方にも伝わる言葉・内容にする
- 既存の支援者を大切に扱う
上のそれぞれのポイントについて、確認していきましょう。
ターゲット層に合った資金調達方法を選ぶ
NPO法人の方で、ファンドレイジングによる資金調達を考えている方は、「活動内容に適した資金調達方法」を事前に検討するようにしてください。
例えば、シニア層をターゲットに募金活動をする非営利団体の方が「クラウドファンディング」などのインターネット経由で寄付を募っても、シニア層はインターネットに疎い傾向があるため、期待するほどの寄付金を得られない可能性があります。
一方、若者をターゲットに募金活動する場合、インターネットを通じて募金を行わなければ、希望する金額を集めることは難しいかもしれません。
募金者層へのマーケティングが成否を左右する
このように、「どのような層に向けて非営利活動をしているのか」、「どのような層が自分たちの団体に寄付をしてくれそうか」など、募金活動のマーケティングをしっかり行った上で、最も効果が高いと考えられる方法で資金調達するようにしてください。
SNSなどを通じ、NPOの活動に共感してもらえるような広報を行う
ファンドレイジングによる資金調達を成功させるためには、非営利活動や慈善活動に対して共感を得てもらう必要があります。 また、非営利団体の情報発信のためには、SNSなどのツールを通じた広報活動も行うべきでしょう。
TwitterやFacebook、InstagramなどのSNSで非営利活動の内容をシェアしてもらえれば、多くの人に事業内容を知ってもらえる可能性があり、資金力がある個人の支援者・協力者や法人からの強力な支援・サポートを期待できます。
東日本大震災以降、ボランティアに興味を持つ方が増えている
特に東日本大震災以降、慈善活動やボランティアなどを通じて社会参画を希望する方は年々増加傾向にあります。
運営する・所属する非営利団体の活動を分かりやすくまとめ、慈善活動やボランティアに興味がある方に想いを届けられると、多くの「支援者」と出会える確率が高まるでしょう。
興味がない方にも伝わる言葉・内容にする
活動内容を伝えれば、誰でも興味を持ってもらえるわけではありません。
広報活動をする際には、興味がない人にも興味を持ってもらうようにするために「誰にでも伝わる言葉や内容」で告知するようにしましょう。
「事業を始めるきっかけ」など、NPOの発起人のストーリーをうまく伝えることができれば、活動に対するコアなファンを獲得できる可能性もあります。
既存の支援者を大切に扱う
運営する非営利活動・ビジョンに共感を得た個人や法人が、団体に対して寄付を行います。すでに支援者になってもらった個人・法人へは、必ずアフターケアを行うようにしてください。
団体へ寄付してくださった個人の支援者や法人へは、「募金で得たお金で、現在どのような活動をしているのか」、「募金のお金を何に使ったのか」等をしっかり報告し、透明性のある基金の運用を行いましょう。
個人支援者や法人が募金したお金が団体や社会の役に立っていることが分かれば、支援者のモチベーションが高まり、継続して寄付を続けてくれるはずです。
支援してくれた方へは最大限の感謝を
当たり前ですが、個人支援者が募金してくれるお金は、「募金してくれた方の大切なお金」です。たとえ少額の募金であっても、支援者に対しては最大限の感謝をするようにしましょう。
ファンドレイジングの際の注意点
次に、ファンドレイジングによる募金活動をする際に注意しておくべきポイントについて紹介します。
- 活動の報告は定期的に行う
- 集めたお金の使い道を明確にする
活動の報告は定期的に行う
募金活動などのファンドレイジングを行う場合、活動内容の報告は必ず定期的に行ってください。
外に向けて非営利活動の発信をしなければ、周りから「活動していないNPO団体」として見られてしまうため、募金活動や会費などによるファンドレイジングに失敗してしまう可能性が高まります。
集めたお金の使い道を明確にする
実際に募金活動や会費などによるファンドレイジングを行う前に、集めたお金の使い道を明確に公表しておきましょう。
募金等で集めたお金の使い道が不透明な場合、「本当に募金したお金が非営利活動・慈善活動に利用されるのか」を疑われてしまい、支援してもらえないケースがあるためです。
募金活動などによるファンドレイジングに成功させて活動資金を調達しよう
本記事では、「ファンドレイジングの概要」や「ファンドレイジングの魅力」、「ファンドレイジングによる資金調達時の重要なポイント」、「ファンドレイジングで注意したい点」などについて、詳しく解説を進めてきました。
ファンドレイジングの成功のためには、団体のファンになる支援者を確保する
- ファンドレイジングとは、主にNPO団体の資金調達のことを指す場合が多い
- ファンドレイジングには「基金」を「増やす」=資金調達という意味がある
- 一般的に使われるファンドレイジングという言葉はNPOが寄付や助成金などによる資金調達するという意味合いが強い
- ファンドレイジングには「会費」「街頭募金」「クラウドファンディング」「チャリティーイベント」などによる方法がある
- ファンドレイジングを行うことでNPO内のコミュニケーションが活性化する
- 支援者と触れ合うことで運営スタッフのモチベーションが向上する
- 資金調達方法を事前に検討した上で、ターゲットに適した手法によるファンドレイジングを行う
- 幅広い層から募金してもらうにはSNSなどによる広報活動が必須
- 誰にでも伝わるような「言葉・内容」で広報活動する
- 集めた資金の使いみちを伝えた上で募金活動を行う
ファンドレイジングとは、主に非営利団体・慈善団体などのNPOの資金調達のことを指します。
NPOが資金調達するには、事業活動での収入、支援者からの寄付金、会費、補助金や助成金、融資などの5つの方法がありますが、ファンドレイジングという言葉は、主に「支援者からの寄付金、会費、補助金や助成金」などの資金調達方法を指す場合が多いです。
ファンドレイジングによる資金調達を行うと、NPO内でのディスカッションが増え、必然的にスタッフ間のコミュニケーションが活性化するというメリットもあります。また、ファンドレイジングを通じて支援者と触れ合うことで、対応するスタッフの責任感が増す・モチベーションが高まるというメリットも考えられるでしょう。
募金等によるファンドレイジングを成功させるためには、「資金調達方法の選定」「SNSなどを通じ、幅広い層に向けて広報活動を行う」、「興味がない人にも伝わるような分かりやすい内容や言葉遣い」、「既存の支援者を大切に扱う」ことが重要なポイントだと言えるでしょう。
NPOを運営している方や、非営利団体・の資金管理を行う方は、本記事を参考にしながら、募金活動等によるファンドレイジングに成功させてみましょう。